『無量寿経』
【意味】
人は生まれる時も死ぬ時も、この世に来る時も去る時も一人である。
【解説】
この言葉は、人間は一人一人が別々の人生を生きていることを表している。周りにどれだけ人がいても、自分の人生は自分一人だけのものであると説く。
しかし、人間は意識するかしないかに関わらず互いに影響を与え合っている。人の助けなくしては生きていけない。人生には様々な出来事が起きる。時には人間の力ではどうにもできないことも起きる。それでも人間は一人で生まれて死ぬと言えるのか、人生は自分一人だけのものなのか。
私達は誰もが一人の自立した存在である。だから他人には立ち入れない領域がある。そこに根本的な問題があり、それを解決することで悟りが開ける。その為には自分自身のあり方をどう正せばいいかを教えてくれるのが仏教である。
大切なのは何が自分自身の問題なのかを知ることである。自分ではどうにもならないことまで正そうとするから余計な迷いが生まれる。どこからどこまでが自分の領域なのか、それを考えることで自分一人だけの人生が見えるようになり、進むべき道を知ることとなる。