人を愛する者は、人恒に之を愛し、人を敬する者は、人恒に之を敬す。
‐孟子‐
【意味】
人を愛する者は皆から愛され、人を敬う者は皆から敬われる。
【解説】
他人との関係がうまくいかない時にどうすればいいか。孟子はその原因を相手に求めるのではなく、まずは自分の行動を見直し、自分自身の心を改めるべきだと述べている。本当に相手が悪いという場合もあるかもしれないが、それでもいきなり相手を改めさせるのではなく、まずは自分が敬愛の心をもって接すれば、相手もそれに応えてくれるはずだという。
しかし、敬愛の心はあえて出すものではない。何気ない行動の中に自然と出てくるものである。どれだけ上辺を取り繕っても、本心からの行動でなければ綻びが生じる。だから自分自身の内面を見つめ直すことが大切なのだ。その結果として生じた思いこそが、本当の敬愛として人に届く。その思いが人の心に響けば、自分の元にも敬愛の心が帰って来る。
お互いを敬愛し合う気持ちが心の底から自然と湧き起こる。それが仏様の慈悲の心である。仏様の教えを体得することで、誰もが仏となってその心を身に付けることが出来る。仏様の導きに従えば、全ての人が仏となり、互いを思いやる敬愛の心が人々の間を行きかう世の中になるだろう。