今月のことば  令和2年 3月

見るほどに みなそのままの 姿かな 

柳は緑 花は紅

‐一休宗純‐

 

【解説】 

 悟りの心境とはどのようなものかを示す時によく用いられるのが「柳は緑、花は紅」という語句である。今回紹介した和歌以外にも「柳は緑、花は紅」を引用して悟りの心境を示した歌や文章は多くある。

野花はありのままで美しく咲いている。どこにでもある風景だが、多くの人はそれを見過ごしている。同じように、真理も何の変哲もないところで常に露わになっているのだが、それに気づく人は少ない。野に咲くきれいな花はどこにでもある。その景色を見て「きれいだ」と思う。その素直な心が悟りである。

ありのままの姿を素直な心で見る。真理も悟りもそれぐらい単純なことである。しかし多くの人は様々なしがらみの中で、その単純なことが出来なくなっている。素直な心を見失い、目の前で咲いている花の美しさに気づかない。それが迷いの中で生きる私達の姿である。

 

真理はどこにでもある。悟りの心は誰もが持っている。それを感じられるようになるために、花を見てきれいだと思う素直な気持ちを大切にして欲しい。私達がその心を見失わないように導いてくれるのが仏様の教えである。