今月のことば  平成29年10月

青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光

『阿弥陀経』

 

【意味】

浄土に咲く青い蓮は青く、黄色い蓮は黄色く、赤い蓮は赤く、白い蓮は白く輝いている。

 

【解説】

 手元にある色彩事典には約1200色が載っている。大きな分類は約30色であり、「青」を調べると、微妙に違う様々な「青」が並んでいる。素人目には区別し辛い色もあるが、それぞれに名前がついている。

色は細分化しようとすればきりがなく、無限に色の数は増えていく。現代のパソコンは約1677万種類の色を表示できるが、人間にはそれだけの色を識別して使いこなすことはできない。しかし、1677万種類の色は間違いなくそれぞれの色で輝いている。

 この世界に無数の人間がいるが、そこには同じ人間は一人としていない。しかし、全く別々の個性として生きることは難しい。ある程度は型にはまって生きているだろう。しかし、どんな型の中でも、その人らしさは自然と溢れ出ている。 

 個性や自分らしさを無理に出す必要はない。ただ生きているだけでも、私達は一人一人が別々の色で輝いている。あるがままに生きていけば、この世で一つしかないあなたの個性が花開く。浄土に咲く蓮は、そのことを私達に教えてくれる。あるがままに咲くからこそ、青い蓮は青く、黄色い蓮は黄色く、赤い蓮は赤く、白い蓮は白く輝いている。