常に大衆の中に於いて 説法師子吼せん
『無量寿経』
【意味】
常に人々の中において、堂々と教えを説く。
【注釈】
・師子吼…仏が堂々と教えを説く様子を獅子が吼える姿に例えた言葉。師子は獅子のこと。
【解説】
『無量寿経』という経典には、阿弥陀様が仏となって西方極楽浄土を造るまでが描かれている。阿弥陀様は自分がどんな仏になるのか、どんな浄土を造るのかという「誓い」を立て、それを実現させて仏となっている。だから阿弥陀様が何を誓ったかを見れば、阿弥陀様がどんな仏様であるかがわかる。今回紹介する言葉は、阿弥陀様の誓いの中の一節である。
阿弥陀様が造った西方極楽浄土は私達の世界の遥か西、十万憶個の世界を過ぎたところにある。しかし冒頭の言葉にあるように、阿弥陀様は常に人々の中で堂々と教えを説くことを誓っている。つまり、阿弥陀様は遥か遠くの浄土に留まることなく、私達の下へやって来て教えを授けてくださる仏様である。
自分が仏になったら、全ての人が浄土へ往って仏となれるよう導く。そう誓った阿弥陀様は、いつも私達の中にいて堂々とした姿でその教えを説いている。その姿を思い浮かべて、堂々とした姿で念仏を唱えよう。そうすれば、私達も阿弥陀様のような仏となれる。