知は是れ行の始め、行は是れ知の成るなり
【意味】
知識を得るところから行動は始まる。行動することで知識は完成する。
【注釈】
・伝習録…中国の儒学者である王陽明(一四七二~一五二九)の手紙や言行を、弟子達が編集してまとめた書。
【解説】
私達は阿弥陀様の導きによる西方極楽浄土への往生が約束されている。西方極楽浄土に行けば誰もが悟りを開いて仏となることができる。だから私達は必ず仏となることができる。それはこの上ない喜びである。その喜びの気持ちを表すために唱えるのが南無阿弥陀仏という念仏である。
しかし、阿弥陀様や浄土を知らなければ、浄土往生を喜ぶことはない。それを知って喜びを感じたとしても、南無阿弥陀仏という言葉を知らなければ唱えることはできない。
阿弥陀様や浄土や念仏を知らなくても、浄土往生はできる。しかし、阿弥陀様や浄土の素晴らしさを知ることで、私達はこの世界で安心して生きて死んでいけるようになる。南無阿弥陀仏という念仏の言葉を知ることで、阿弥陀様への喜びの気持ちを日々の生活の中で表せるようになる。
阿弥陀様や浄土を知り、念仏を唱えることで心は安らぎと喜びで満たされる。その心を持って毎日を過ごすことで、ただ浄土往生する以上に価値のある人生を送れるようになる。それが浄土宗の目指すより良い生き方である。